INTRODUCTION
東京活用土協同組合とは
東京活用土協同組合は採石事業者として東京都に登録をしている(過去に登録した事業 者も含む)事業者団体で、岩石採取後の跡地に建設発生土を受け入れています。
採石事業は主に山間地の岩石を採取し、破砕と選別の工程を経て砕石(粗骨材や細骨材) を製造。その生産品はコンクリートやアスファルトの原材料として利用され、東京都と周 辺の県に広く供給されています。
採石事業者が多摩地域で岩石採取に着手したのは、東京オリンピックに伴う首都圏の急 速な骨材の需要拡大で関東周辺の河川砂利が枯渇した(昭和 39 年頃)からです。
その後も日本の高度経済成長に支えられ、事業区域の拡張や生産設備の新増設と全てが 順調でした。しかし、バブル崩壊以後は砕石の需要が大きく後退、減少傾向は現在も続き、 事業区域の拡張や事業の継続を断念する事業者が主流となりました。
採石事業者の一部は上記を踏まえ平成7年より建設発生土受け入れ事業の協同組合化を 検討、平成 11 年に青梅地区の5社が先行して東京活用土協同組合を設立。その後は組合員 が順調に拡大、現在は多摩地区全域の 11 社に増強されました。
岩石採取を終えた事業区域は里山を目指し、盛り土工事で緩斜面や平地を形成して地盤 を安定化。斜面および緩斜面には植栽により自然回復を促し、雨水対策では洪水調節池、 沈澱池及び排水路を整備します。
東京活用土協同組合は、建設発生土の情報収集や管理能力向上に努めています。建設発 生土の搬入には搬入整理券を利用したマニフェスト型の管理、安全輸送対策のための講習 会や道路清掃、教育事業では盛り土工事の技術研修会に労働災害防止研修会、緑化のため の苗木や緑化種子の配布、水質調査なども共同で実施中です。
また、盛り土工事に伴う法令による許認可の取得と遵守の継続、安定的な建設発生土の 確保、廃棄物や汚染土の完全な排除、盛り土工事の技術的確立と作業の修練、搬入搬出す る通路の安全確保など、山積する課題の解決を目的として活動しています。